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里山ってなんだ!」第3回「人工林と天然林」 拡大造林政策、燃料革命、農業革命、木材の輸入自由化 手入れがなされず荒廃した昼なお暗い六国見山森林公園のスギ林 里山荒廃の理由は明確である。昭和29年から本格的となった「拡大造林政策」、昭和30年代からスタートした燃料革命、農業革命、木材の輸入自由化が複合的に重なったためだ。 「拡大造林」とは主に広葉樹で構成された天然林の伐採跡に、価値の高い樹種を植え替えることだ。昭和20年代から30年代にかけて、日本は戦後復興などのために木材需要が急増したが、供給が追い付かなかった。このため、政府は成長が比較的早く、経済的価値の高いスギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツなどの針葉樹を日本全国の森林に植林する政策を強力に推進した。 折しもこの時期は燃料革命、農業革命と軌を一にした。当時の家庭燃料はナラ、クヌギ、カシなどの広葉樹を原材料とした木炭や薪が中心だったが、石油、ガス、電気へと大きくシフトしていった。有機肥料(落ち葉など)から化学肥料に切り替える農業革命も同時進行した。エネルギーと有機肥料の供給源として人間の暮らしに不可欠だった里山の経済的価値は、急激に落ち込んでしまった。里山の広葉樹は伐採され、より価値の高い針葉樹に置き換えられるか、手入れが放棄された。 一方で、木材へ旺盛な需要を賄うため、木材の輸入自由化が昭和30年代から段階的にスタートし、昭和39年には全面的に自由化された。この結果、国産材は価格の安い輸入材にとって替わられ、昭和30年には9割以上あった木材の自給率は、現在は3割以下に落ち込んでいる。国産材価格の低迷から、林業離れが進行し、「拡大造林」で植林されたスギ、ヒノキの多くが、収穫のための伐採や間伐などの手入れがなされず、荒廃が目立つようになっている。 2006年4月4日付 読売新聞に「拡大造林政策」を分かりやすく説明した記事が掲載されている。膨大な手入れ不良のスギ林と借金を残す結果となった「拡大造林政策」は、1954年(昭和29年)に本格化したが、終止符を打つのはなんと42年後の1996年(平成8年)だ。時代のニーズに応える形で始まった政策ではあったようだ。詳しい経緯は分からないが、もう少し早く見直しが必要ではなかったかと思えてならない。 *「拡大造林政策」(2006年4月4日 読売新聞) 植林ブームを後押ししたのが、1954年(昭和29年)に本格化した「拡大造林政策」だ。この年から、人工林伐採跡への再造林の場合は補助金の額が引き下げられたが、天然林の伐採跡にスギ、ヒノキなどの針葉樹を植えて人工林を広げる拡大造林の場合には、国と県から費用の半額という従来通りの補助が受けられた。 木材価格の急騰は物価上昇の引き金にもなった。ハゲ山が増えて山の荒廃も懸念され、木材供給の増大と植林を求める世論の圧力は高まっていた。 1955年(昭和30年)、河野一郎農林相は、国が責任を持って民有林を人工林に変えていくという「国営造林」構想を打ち出した。紆余(うよ)曲折を経て、都道府県が公社を設立し、山主と分収林契約を結んで造林を進め、奥地などは森林開発公団(現在の緑資源機構)が造林を行う体制ができた。 林野庁の統計によると、1960(昭和35)~2003(平成15)年度に行われた拡大造林は、累計で約625万ヘクタール。現在の人工林1000万ヘクタールのかなりの部分が生み出された。 国産材価格の低迷で、事業見通しが狂ったのは、滋賀県の林業公社だけではない。38都道府県にある計42の林業公社が抱える農林漁業金融公庫、都道府県などからの長期借入残高は、なんと1兆円(未払い利子分を除く)を超える。 1996年(平成8年)、林野庁は、広葉樹林と針葉樹林が混ざる複層林を増やすとする森林資源基本計画を打ち出した。拡大造林政策にようやく終止符が打たれたが、膨大なスギ林と借金が残った。
by kitakamayunet
| 2011-02-09 13:16
| シリーズ「里山ってなんだ!」
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Tracked
from 北鎌倉湧水ネットワーク
at 2011-02-22 09:48
タイトル : 里山ってなんだ!第5回「杣人=森林再生請負人」
里山ってなんだ!」第4回「荒廃の背景」 杣人は、森林から木材を切り出す人、きこり 伐採した後には落葉広葉樹のモミジを植樹 2月18日、建長寺で「杣人(Somabito)」の佐々木浩之さん(32)と、松村和幸さん(35)にお会いした。杣人は、森林から木材を切り出す人、つまり、きこりを意味する。 組織としての「杣人」は、2年前の2010年に二人で設立した。「杣人」は依頼に応じて、大径や危険木の伐採、枝下ろし、森林の育成を行っている。島根県出身の佐々木さんは杣人歴10年。一方、大工からトラバ...... more
Tracked
from 北鎌倉湧水ネットワーク
at 2012-02-20 12:25
タイトル : 里山ってなんだ!」第18回「六国見山人工林荒廃の現実」
里山ってなんだ!」第4回「荒廃の背景」 無残、公園内の杉林は腐食を含めた形状不良木のオンパレード 市民の安全確保のため早急に散策路、管理通路沿いの危険木の処理が必要 2月18日に六国見山森林公園の2月定例の手入れ(毎月第3土曜日実施した)を実施したが、これまでの一連の手入れで分かったことは、目を背けたくなるほどのスギやヒノキの人工林の荒廃ぶりだ。腐食して倒れた木と倒れそうになった木、倒木したまま放置されてしまった木、途中で二股、あるいは三股に分かれてしまった木…。 遠目には針葉樹林が...... more
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