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30年前のこの日、私は長崎市松山町の平和公園にいた。30回目の原爆の日の取材担当者として。当時も被爆体験の風化が叫ばれていた。キリシタン、部落問題、原爆投下のターゲットなった長崎兵器工廠(現三菱重工長崎造船所)の兵器及び原子力開発をキーワードに、取材活動をした。風化させてはいけないが、風化してしまうのではないかとの懸念を持った。 あれから30年。60回目の「長崎原爆の日」は、今日の新聞各紙の夕刊一面トップをかざっていた。一面トップをかざっている大きな理由は、被爆体験の風化を阻止しようと、それぞれの立場で体を張って、活動をしてきた組織、個人のお陰である。 それと歯止めのかからない「核拡散」があると思う。アジアでの覇権を目指す中国は、核大国となり、北朝鮮は日本をターゲットにしたミサイルの開発に成功、核の開発をカードに国家の存亡をかけた外交戦略を展開している。 原爆投下時刻の午前11時2分、私は被爆2世の妻と一緒に、借りている畑にいた。30年前の取材体験を踏まえ、もう一度、原爆投下の意味を考えてみたい。 ◎核廃絶あきらめず努力 長崎、原爆投下から60年 長崎は9日、60回目の原爆の日を迎え、長崎市松山町の平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。伊藤一長市長は平和宣言で「核兵器廃絶に向けてあきらめることなく努力する」と決意を示し「世界の市民と手を結び、平和の鐘を長崎の空から響かせよう」と呼び掛けた。5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の失敗を招いたとして、核保有国、特に米国の「核抑止力に固執する姿勢」に強い憤りを表明した。 式典には被爆者や遺族、小泉純一郎首相ら約6000人が参列。原爆投下時刻の午前11時2分、「長崎の鐘」が鳴り響き、参列者は1分間の黙とうをささげた。被爆者代表の坂本フミヱさん(74)は「命ある限り『長崎を最後の被爆地に』と叫び続ける」と「平和への誓い」を読み上げた。 (共同通信社HPより)
by kitakamayunet
| 2005-08-09 21:50
| 唯我独尊(コラム)
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