反戦、反核、愛を貫いてきた86年の人生がこの歌集に凝縮!
かまくら春秋社 〒248-0006 鎌倉市小町2-14-7
TEL:0467(25)2864 FAX:0467(60)1205
*頒価2037円
*カバー写真・若林義文像・
晏侶作(鎌倉石で制作)

著者の若林義文さんは、北鎌倉駅前にある
喫茶店兼酒房「侘助」の常連客のお一人である。時々、「侘助」でお会いする。86歳とは思えないほど精神的に若々しい。同時に清々しさも感じる。これは信念を貫いて生きてきたことの証に違いない。もし自分自身が若林さんのように長生きできたら、主義主張の違いを超えて、かくありたいと思う。
歌集には若林さんの「真情」をつづった一九九五年から二〇〇七までの短歌が、順不同で掲載されている。
【「歌集 北かまくら便り」より】反戦に反核ともに貫きて吾が生涯に悔いはなかりし
パージ以後よくも建てたり八回目の家なり此処が最後となろう
八十歳を祝いてくれし侘助の客と戦後の歴史を語る
餓死兵を馬車に積み上げ荒野ゆきし夏の華南の月光のなか
(評)戦中の酷烈な体験はいまだ生々しく、一首の具象が壮絶なイメージを読み手に与えるのは主観語を削いだ言葉の力でもある。
飢えの兵倒れゆくなり人間の意志うばわれて炎天にまた
(評)作者 生のテーマ。無謀な作戦計画による行軍に、飢え死んでゆく兵ら、三句が直接に迫り、圧倒的全身の抗議の歌。
民主化の戦後支えし妻なりし病みて吾に応うすべなき
(評)重病の極限を迎えた老妻、戦後の民主化闘争に若々しくたたかった妻の面影と、現在が重なり、心に重い慟哭が突きあげる
若林義文(わかばやし よしふみ)さんの略歴