石渡鎌倉市長、北鎌倉・洞門山全面保全を約束

「全面保全に向けて買い取り交渉中」と金沢助役
１２月市議会陳情のための署名は２７００人に
北鎌倉「洞門山」第２回説明会：10・19、山ノ内公会堂

　北鎌倉・洞門山を守る会（代表　坂田庄次）のメンバー約２０人は６日、鎌倉市役所で石渡徳一鎌倉市長に会い、宅地開発計画が具体化している北鎌倉・洞門山の保全に関する要望書を手渡した。守る会側が石渡市長に「洞門山」保全を強く迫ったのに対し、石渡市長は全面保全を約束した。

　市長に続いて守る会と会った金沢政弘助役も全面保全に向けて事業者と買い取り交渉中であることを明らかにした。



　この後、守る会のメンバーは鎌倉メディアセンターを訪れ、報道関係者に洞門山保全に向けての協力を呼びかけた。


（ここまでの写真は島村国治さんより提供を受けました）
　この日の要望書提出に先立ち、守る会は１１月３日午後６時から、山ノ内公会堂で今後の洞門山保全に向けた取り組みを話し合うために１０月２６日に続き、２回目の会合を開いた。会合には３連休の最後の夜にも関わらず、３０人を超える周辺住民が集まった。席上、１２月鎌倉市議会に「北鎌倉（「洞門山」）の景観保全についての陳情書」を提出するために１０月中旬からスタートさせた署名活動で既に約２７００人の署名が集まっていることが明らかになった。


報道関係のみなさまへ
２００８年１１月６日
北鎌倉・洞門山を守る会（代表　坂田庄次）

北鎌倉・洞門山保全で鎌倉市長へ要望書提出
　みなさまにはご健勝にてお過ごしのことと存じます。本日（１１月６日）、北鎌倉・洞門山を守る会は、石渡徳一鎌倉市長に対して、宅地開発計画が具体化している通称「洞門山」（鎌倉市山ノ内字宮下小路５５７番１の一部ほか１筆）の保全に関する要望書（別紙）を提出しました。

　木々の緑、変化に富む砂岩の崖、好々亭の赤トンネルが絶妙なバランスを見せる洞門山は、まさに鎌倉の玄関口であり、北鎌倉の景観上のランドマーク的な存在です。北鎌倉をこよなく愛した巨匠・小津安二郎監督は北鎌倉らしさを印象付けるために、映画のシーンに使いました。宅地開発に伴う洞門山の破壊は、北鎌倉の大切な宝物を失うことであり、世界遺産登録を目指す鎌倉市の将来にとって、大いなる損失であると考えております。

　景観だけでなく今回の宅地開発計画は、周辺住民の日常生活に重大な影響を与える可能性があります。宅地開発工事に伴う土砂、伐採樹木などの搬出ルートとなる道路は極めて狭く、車のすれ違いはできません。しかも、この道路は幼稚園児、小学生、高校生の通学道路です。ダンプカーをはじめとした膨大な数の工事車両の投入は、次代を担う大切な子どもたちの生命をも脅かしかねません。

　北鎌倉・洞門山を守る会は石渡徳一鎌倉市長に要望書を提出する一方で、北鎌倉らしいまちづくりを目指して活動している「北鎌倉まちづくり協議会」と連携し、１２月鎌倉市議会に「北鎌倉（「洞門山」）の景観保全についての陳情書」を提出するために署名活動を展開しております。
　報道関係のみなさまには、わたしたちの活動をご理解いただき、洞門山保全問題について北鎌倉を愛する多くの人々に報道していただければ幸いです。ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

＊本件に関するお問い合わせ先
　電話　0467-41-1807（斎藤　博子）

＊「洞門山」宅地開発問題の経緯
６月１６日　北鎌倉まちづくり協議会、洞門山保全で石渡市長に対し要望書提出
９月２８日　第１回住民説明会（山ノ内公会堂）
１０月１０日　北鎌倉まちづくり協議会、１２月鎌倉市議会に「北鎌倉（「洞門山」）の景観保全についての陳情書」を提出するために、署名活動をスタート
１０月１９日　第２回住民説明会（山ノ内公会堂）
１０月２６日　北鎌倉・洞門山を守る会発足

＊「洞門山」宅地開発計画　（「（仮称）鎌倉市山ノ内計画」）
　開発予定地は、ＪＲ横須賀線の権兵衛踏み切りから線路沿いに北鎌倉駅方向に歩いてすぐの場所にある緑地。開発面積は９９９．７７平方メートルで、ここに３宅地（１６６．６６平方メートル、１７０．３９平方メートル、１６９．１３平方メートル）を造成する。

　宅地造成に伴い、開発予定地の樹木はすべて伐採する。横須賀線沿いと六国見山側では高低差があるが、中腹から上部にかけてこの高低差約８ｍを平らにズバッと削り取る。この結果、山を覆っていた緑は跡形もなくなり、コンクリートで固められた擁壁の上に無機質でノッペラボーな台形の土地が忽然と姿を現すことになる。２期工事として７宅地の造成が計画されている。