『ありがとう！ 美代子さんの笑顔と「すっとこどっこい！」』

　　　　　　　　　　　　　　　定価：1500円+税、制作・発行　夢工房　
　日頃お世話になっている夢工房代表の片桐務さんが、実兄の片桐佐利さんと共著で、写真文集『ありがとう！　美代子さんの笑顔と「すっとこどっこい！」～片桐家の家族たち～』（定価：1500円+税、制作・発行　夢工房）を出版した。片桐さんはわたしと同じ団塊の世代というだけでなく、実家が農家という共通項がある。そのせいか、二人とも自然や農業、漁業、林業を大切だと考えている

　片桐さんは5年前、詩集「レヴィンの系譜」（26 歳の若さで交通事故によって亡くなったわが故郷・千葉県香取郡東庄町の無名詩人・レヴィンこと高木昌宣さんの遺作、http://www.kitakama-yusui.net/5/2010-1.html）の出版に向けた事前取材で、東庄町を訪れた。そのとき、東庄町の田園風景を見て「うちのふるさとに似ている」と言った。

　東庄町は利根川流域にあり、片桐さんの実家は新潟県長岡市の信濃川流域にある。千葉は一年を通じて、比較的温暖だ。これに対し、新潟は冬、雪に埋もれて寒い。こうした気候の違いはある。しかし、実際に信濃川流域を訪れたら、確かに私と片桐さんの故郷の風景は似ていると思った。

片桐さんの故郷の田園風景（『ありがとう！　美代子さんの笑顔と「すっとこどっこい！」』 より）

野口の故郷の田園風景


　『ありがとう！　美代子さんの笑顔と「すっとこどっこい！」』 を読むと、祖父母、ご両親ともに大変な働き者で、家族を大切にしたことが分る。片桐さんは表情は穏やかだが、胸の内に不屈の闘志を秘めて、目標達成に向けて着実に歩んできた。性格は粘り強く、誠実である。これらの特質は祖父母、ご両親から受け継いだものに違いない。親の背中を見て子供は育つ―。この格言はやはり正しい。

母さんからもらったもの
（『ありがとう！　美代子さんの笑顔と「すっとこどっこい！」』 より）
母さん生んでくれてありがとう

母さん「おっぱい」ありがとう

母さん小川から救い出してくれてありがとう

母さん回虫を退治してくれてありがとう

・・・

母さん焼きおにぎり醤油おこわありがとう

母さん夜食の葛湯ありがとう

母さんいつも見守っていてくれてありがとう

母さん袢纏ありがとう

・・・

母さんいつまでも手を振ってくれてありがとう

母さん丈夫な体に育ててくれてありがとう

母さんユーモアと洒落ありがとう

・・・

母さんバイク小川に突っ込んでゴメン

母さんいつも心配かけてゴメン

母さんそばにいられなくてゴメン

母さん何もしてやれなくてゴメン

・・・

母さん笑顔をありがとう

母さん生きていてくれてありがとう
（片桐務）