岩瀬中学校３年生１１０人が六国見山森林公園を手入れ

３０名参加、六国見山森林公園の手入れスタート（１・２２）


鎌倉風致保存会の年間体験行事の一環
　財団法人鎌倉風致保存会は２月２４日、岩瀬中学校３年生の生徒約１１０人と一緒に六国見山森林公園の手入れ活動を行った。この活動は鎌倉風致保存会の「中学生みどりのボランティア」（http://www.fsinet.or.jp/~fuhchi/jigyou_katsudou/chuugakusei/junior_volunteer.html）と呼ばれている年間体験行事の一環。

　生徒は１２班に分かれ、午前９時すぎから約２時間、風致保存会のボランティア・スタッフの指導で、北側登山道入り口横のヒノキ林や展望台近くまでの登山道沿いに繁茂しているアズマネザサ、アオキなどを刈り込みばさみや、のこぎりを使って刈り込んだ。

　ボランティア・スタッフは、生徒に「アズマネザサはできるだけ根元から切るように」と自ら模範を示しながら丁寧に手ほどき。生徒は普段、手にしたことのない道具を使っての慣れない作業に戸惑いながらも「大変だけども面白い」と楽しそう。引率の教師は「集中力を付けるいい機会」と「中学生みどりのボランティア」を高く評価した。

　作業終了後、石段に整列した生徒を前に、風致保存会の野田充博・常務理事兼事務局長は「ご苦労さまでした。手入れ前に比べて見違えるように良くなりました。通行人やこの緑地に生息している生き物に代わってお礼を言います」とねぎらいの言葉を述べた。これに対し、生徒代表が「卒業式を前に、一致団結してボランティアの体験をさせてもらい、ありがとうございました」と挨拶した。

　この光景を見学していた北鎌倉涌水ネットワークの里山インストラクターの川上克美さんは「ボランティア・スタッフの指導方法は、わたしが台峯緑地で実行している手入れ方法と同じ。私の主張に間違いはない」と感激した様子。野田事務局長によれば風致保存会にはノコギリだけで２００丁もの在庫があるという。今後、「鎌倉の美しい里山プロジェクト」を推進していく過程で、風致保存会との協働を模索したい。

作業前と後では見違えるようにきれいになった六国見山森林公園





【作業後】




　鎌倉風致保存会の「中学生みどりのボランティア」は、平成２２年度で１３回目となる。鎌倉市の市立中学校の３年生を対象に、自分たちの住んでいるまちの自然とその保存に関心をもってもらうため、市内の緑地・海岸などの手入れや清掃活動を体験する行事である。現在の参加校は、岩瀬中学校、御成中学校、手広中学校、深沢中学校、玉縄中学校、第一中学校、第二中学校の７校。

＊財団法人鎌倉風致保存会
　財団法人鎌倉風致保存会は１９６４年１２月、鎌倉の自然の風光と豊かな文化財を後世に伝えることを目的に設立された。鶴岡八幡宮後背の山林「御谷」の宅地造成計画に反対する「御谷（おやつ）騒動」と呼ばれる市民運動がきっかけとなった。この運動には、地元住民を中心に市民や文化人ら参加し、当財団を設立するとともに、集まった寄付金９００万円と鎌倉市からの６００万円で、御谷山林１.５ヘクタールを買収した。鎌倉風致保存会は、日本最初のナショナルトラスト団体といわれている。また、この運動が契機となって、１９６６年には、乱開発から古都の自然と文化を守るため「古都保存法」が制定された。