点から線、そして面に－第４回六国見山森林公園の手入れ

第３回六国見山森林公園の手入れに強力な助っ人登場！
手入れを重ねることで生物多様性を実感
大蛇桜、杉の木に邪魔されながらも確認


　雨が上がった４月１６日、北鎌倉湧水ネットワーク、高野台自治会４、５班有志、里山インストラクターは、４回目の六国見山森林公園の手入れを実施した。前回は東日本大震災の発生から間がなく、参加者が少なかったが、今回は男性陣の参加が目立った。





　今回の重点手入れの場所は３月１日から２日にかけて鎌倉市公園協会と契約した鎌倉市内の造園業者が、伐採作業を行った結果、大船観音が見えるようになった散策路沿いの広場のような平たん地だ。

　思えば手入れのスタートは昨年の１２月、里山インストラクターの川上克巳さんとの作業道路づくりだった。最初にアズマネザサとアオキなどの常緑樹が繁茂した杉林の一点を突破し、道路近くまでの作業道路を開通した。

　今年１月からは北鎌倉湧水ネットワーク、高野台自治会４、５班有志、里山インストラクター、鎌倉市公園協会が手入れに加わり、道路に面した山すそから展望台に向けて線状に手入れを進めた。今回の作業は線状の手入れ地の幅を拡大することで、手入れの結果を面に拡大することに狙いを置いた。

　六国見山森林公園の手入れに関しては、わたしたちだけでなく鎌倉市公園協会、財団法人鎌倉風致保存会と岩瀬中学校３年生などが実施している。ただ、いずれも部分的で、点なり線の存在だった。この日の手入れの結果、手入れ地がつながり、しっかりとした面になった。
＊岩瀬中学校３年生１１０人が六国見山森林公園を手入れ
http://kitakamayu.exblog.jp/15986013/

作業スタート時

作業終了後

２０１１年３月１日の状態

　よく手入れされた里山は生物の多様性に富むという。手入れスタート以前は、林床はアズマネザサとアオキによって占拠されていた。しかし、下草刈いと除伐をすることでタチツボスミレ（立壷菫）やウラシマソウなどが目に付くようになった。



　手入れした場所からは六国見山のシンボルツリーといってもいい六国見山の大蛇桜（オロチザクラ）も杉の木に邪魔されながらも、その存在が確認できるようになった。大蛇桜（オロチザクラ）に限らず、周辺には立派なヤマザクラの木が生えている。

　今は下草や常緑樹に邪魔されてよく見えない。手入れをすれば鎌倉有数のヤマザクラの名所の展望台に匹敵するヤマザクラのスポットになるだろう。里山インストラクターの葉山厚さんは伐採した樹木でベンチなどを作る“名人”とか。来年は是非とも、この場所で桜見物を楽しみたい。

　手入れを重ねるたびに目に見える成果が出てきた。そうは言っても、６０年もの長期にわたって手入れがされてこなかっただけに、手入れの前途は険しい。高野台自治会４班の道路沿いの山肌にはアズマネザサと実生のスギやシロダモなどの常緑樹が密集し、日差しを遮り、他の植物の立ち入りを排除している。





　六国見山森林公園の展望台はヤマザクラが満開だった。一汗かき、春の日差しを浴びながらのおにぎりの味は格別なものがあった。