黄砂ではなく煙霧で夕日、富士、ランドマークが霞む：3・10

　３月１０日午後３時前過ぎ、自宅を出て下草刈りをするために六国見山森林公園に向かった。ふと自宅からみて西北方向の大船観音の方をみた。すると背後から白っぽい煙のようなものが広がり、大船の街や横浜の街を包み始めた。

　てっきり中国大陸奥地のオルドス、ゴビなどの砂漠の砂が強風に舞い上げられ、上空の偏西風に流されて海を渡り、日本にまで飛んでくる黄砂だと思った。中国で深刻化する大気汚染（微小粒子状物質「ＰＭ２・５」）の「越境汚染」のこともあるし、スギの花粉も飛び回っている。

　慌てて自宅に引き返し、マスクを着用し、六国見山森林公園に入った。作業を終え、展望台に上ると西の空では夕日が沈みかけ、右側に富士山の天辺がうっすらと見えた。北方を見るとランドマークが霞んでいた。東京スカイツリーは全く見えなかった。

　自宅を帰ってパソコンでニュースサイトを検索した。すると白っぽい煙のようなものの正体は黄砂ではなく煙霧であることが判明した。

＊関東南部、大気かすむ…黄砂ではなく「煙霧」
（2013年3月10日20時36分 読売新聞）
　前線と北海道付近の低気圧の影響で、１０日の日本列島は全国的に強風が吹いた。気象庁によると、関東南部では午後、大気が煙のようにかすんで視界不良となる気象現象「煙霧」が発生。東京都心は一時、視界が２キロ未満となった。同庁は「関東地方の土ぼこりによるもので、首都圏では中国大陸からの黄砂は観測されていない」としている。
　
＊国立環境研究所は2月21日（木）、1月から2月初めにかけて日本各地で観測された微小粒子状物質「PM2.5」について「高濃度のPM2.5は、大陸からの越境汚染と国内の大気汚染が複合して発生した」との調査結果を発表した。
日本国内での最近のPM2.5高濃度現象について　平成25年2月21日

＊黄砂の人体への影響
　黄砂自体ではアレルギー反応を起こしません。しかし、黄砂に付着した化学物質や金属、細菌などがアレルギー症状を悪化させるのです。その大きさは数ミクロンで、スギ花粉の２０～４０ミクロンと比べてもかなり小さい粒子です。粒子が細かいので、目に入ればかゆみ、不快感を伴うアレルギー性結膜炎を起こします。また鼻に入るとくしゃみ、鼻水、鼻づまりなど、アレルギー性鼻炎と同じ症状を引き起こします（さんようタウンナビ「黄砂とアレルギーについて」）