上品で洗練された蒲鉾：鎌倉 井上蒲鉾店（鎌倉市）

　　　　　　　「鎌倉　井上蒲鉾店」本店（神奈川県鎌倉市由比ガ浜１丁目１２−７）


　季節が冬に向かい有機・無農薬で栽培しているダイコンが収穫できるようになると、食いしん坊のわたしの楽しみが一つ増える。それは「鎌倉　井上蒲鉾店」の「おでんセット」を購入し、自分のダイコンと一緒に妻におでんを作ってもらうことだ。自家製のサトイモも加える。お酒が進む。


　
　「鎌倉　井上蒲鉾店」の蒲鉾は見た目も美しくとても美味しい。味が上品で洗練されている。間違いなく古都鎌倉を代表する“特産品”である。井上蒲鉾店の名前を知ったのは今から２０年以上前だ。ただし、鎌倉ではなく「大磯 井上蒲鉾店」の方だ。

　当時は横浜市に住んでいた。毎年夏になるとテニス仲間と一緒に大磯プリンスホテルで泊り込みの合宿を行っていた。口コミで「大磯 井上蒲鉾店」のはんぺんが、絶品の味であることを聞き、一度食べた。そうしたら、その味の虜になった。以来、合宿が終わると「大磯 井上蒲鉾店」に立ち寄り、お土産に買って帰った。

　時は流れ、大磯プリンスホテルでのテニス合宿も消滅した。しかし、１７年前に鎌倉に転居し、「鎌倉　井上蒲鉾店」の蒲鉾に出会った。昭和６年に創業した「鎌倉　井上蒲鉾店」は、明治11年に創業した「大磯 井上蒲鉾店」の分家である。初代牧田芳幸の高級かまぼこへのこだわりは「香り、歯ごたえ、しなやかさ」。「鎌倉　井上蒲鉾店」の蒲鉾は、厳選された白身魚グチを素材に、つなぎを加えずに練り上げているという。美味しいわけだ。
　
　　　　鎌倉駅前店（鎌倉市小町1-4-4、JR・江ノ電　鎌倉駅より徒歩1分）