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般若心経でなだいなださんの冥福祈る:里山継承3rd企画① 講師 野田 充博・公益財団法人鎌倉風致保存会常務理事 皆さん、こんにちは。公益財団法人鎌倉風致保存会の常務理事兼事務局長をしております野田充博と申します。よろしくお願いします。先ほどお話しがありました通り、今日は風致保存会が持っております(鎌倉の白梅の名所として知られる)十二所果樹園で、ボランティア、あるいは会員の皆さんと午前中、梅の収穫をし、午後は事務所で選別作業をやっています。そして、明日午前10時から風致保存会の事務所で梅の販売をする予定です。 かっこいい無農薬、無肥料。要は野放しの梅です。一応、鎌倉市の放射能検査に出しましたらヨウ素、セシウムは不検出で、安全に関しては折り紙付きです。それと明日の午後は鎌倉市役所の講堂で「イコモス勧告の意味」というシンポジウムが午後2時からで開催され、これに出席します。梅の販売会、シンポジウムとスケジュールが立て込んでおり、申し訳ありませんが、わたしの分担が終わりましたらすぐ帰ります。野口さんのお招きでこういう機会を与えられたので、精一杯説明したいと思います。よろしくお願いいたします。 *イコモス 国際記念物遺跡会議(International Council on Monuments and Sites)の略称。パリに本部を置く国際的な非政府組織(NGO)であり、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関の一つ。世界遺産登録への可否を事前に審査する機関として知られている。 ▽中学3年生が卒業前に山の手入れを体験 皆さんのお手元に風致保存会のパンフレットと、「山の手入れがなぜ必要なの?」というパンフレットがあると思います。風致保存会のパンフレットは、風致保存会の事務所で配っています。「山の手入れがなぜ必要なの?」というパンフレットは、今年2月に岩瀬中学校の3年生が、六国見山森林公園の手入れをした時に配ったものです。風致保存会では自分たちの住んでいるまちの自然とその保存に関心をもってもらうため、鎌倉市立の中学校の校長会に呼び掛け「中学生みどりのボランティア」という行事を実施しています。ほとんどの中学校の3年生が卒業前に、風致保存会の仲間と一緒になって、市内の緑地・海岸などの手入れや清掃活動を体験しています。 なるべくそれぞれの学校の地元で実施しています。地元のことを知ってもらうためです。ということで、岩瀬中学校については、近くの六国見山森林公園に関するパンフレットを作りました。表のページの右側の写真は1年前の岩瀬中学3年生の作業風景です。草を刈ったり、立っている木は危なくて伐らせられないので、倒れた木を細かくしている写真です。そして裏のページの左側に今日のわたしの講演の演題と同じ「山の手入れがなぜ必要なの?」、右側に「鎌倉の自然は」という説明を中学生向けに簡単にまとめ、岩瀬中学3年生に配りました。 ▽鎌倉とアマゾンの自然を混同 それで「山の手入れがなぜ必要なの?」ということになりますけれど、このパンフレットに従って説明したいと思います。その前に「山の手入れ」と「自然保護」の関係を考えてもらいたいと思います。「自然保護」といった場合の「自然」は、なすがままです。では「自然」って何なのだろう。これは鎌倉の「自然」と、日本アルプス、(世界遺産に登録された北海道の)知床半島、小笠原諸島、南アメリカのアマゾン、北アメリカの「自然」は、言葉が同じでも、持つ意味は全く違うと思います。何にもない、人の入るのがいけないことだと言われている希少な「自然」や、天然記念物や希少種が生息している「自然」と鎌倉の「自然」が、混同して語られていることが非常に多いと思います。 ですから山に入って木を伐ること、草を刈ること、これは「自然」に反するのではないかという感覚を持っている方が、かなりいるのではないかと思います。ある意味ではそうです。人間が木を伐ったり、草を刈ることは、自然の営みとは違っていますから、それは「自然保護」に反することなのかもしれません。ただ、そうではあっても「なぜ山の手入れは必要なの?」ということを、具体的に考えていきたいと思います。このパンフレットの最初に「自然災害を防ぐ」と書いてあります。風致保存会は約8万平方メートルの土地所有者です。鎌倉市だとか寺社を除くと、かなりの規模の土地を持っています。緑地の所有者として所有者の持つ苦労を風致保存会も味わっています。 ▽人家と緑地が急接近、15年間に6回も損害賠償 風致保存会はこの15年間に6回、損害賠償をしています。2、3年に1回ですね。なぜ損害賠償をしたかというと、ある意味管理不行き届きで、風致保存会の土地から木が倒れ、隣の家の屋根や駐車場の街灯を壊しました。緑地を持っていることは、それだけ苦労が絶えないのです。放置しておけば屋根を壊したり、駐車場の街灯を壊したり、そんなことにもなるわけです。自然災害を防ぐ意味でも山の手入れは必要だと思います。 パンフレットの鎌倉の緑地比率の地図を見てもらえば分かると思いますが、緑の部分がどんどん少なくなっています。少なくなった結果、どうなったかといいますと、人家と緑地がすごく接しているのです。間に畑などの緩衝帯がなく、家のすぐ上が山、林、道路の隣が山、林、そういう場所が多いです。 そうするとしっかり管理していないと、人命だとか財産に被害を与えます。幸い、この15年間、ケガをさせただとかの人的な被害はありませんでした。ただ、怖いので風致保存会では森林保険に入っています。風致保存会の管理責任の範囲の中で人にけがをさせたり、死亡させたりして損害賠償を求められたらどうするか、これは怖いですから、森林保険に入り、毎年保険料を払っています。 ▽昔は山の木は15年から20年サイクルで伐採 それだけではなくて災害の話ですと、鎌倉の地形と地質に非常に関係があります。人家と自然が接していると申し上げました。鎌倉の歴史的な史跡である切通、やぐら(鎌倉とその周辺部に見られる中世の墳墓)を考えてみると分かるのですが、なんで切通ややぐらが出来たの?作れたの?といえば、要は鎌倉の地質が、墓石のように固い石ではなく、土を固めた砂岩・礫岩で形成されているからです。砂岩・礫岩はノミで垂直にすっと切っても崩れないけれどもそんなに固くない。このことは、切通を見れば分かります。ノミで「コンコンコン」と打った跡があります。ノミで簡単に切り取ることができます。やぐらもそういう条件のもとで、鎌倉で作ることができました。 *六国見山の麓の高野台の切通とやぐら これが南アルプスのような花崗岩とかの地質のところだったら切通なんてとってもじゃないけれど作ることができません。鎌倉には土木遺構なり史跡が現在も残されています。しかし、それが今、どのような状況に置かれているかご存知ですか。砂岩・礫岩の上にちょっとした土の層があります。この土の層の木が茂っています。昭和30年代から40年代までは、山の木を燃料用の薪や炭に使っていたので、人が山にこまめに入って、15年から20年サイクルで木は伐っていました。木は普通、スギのように一本にすーと育ちます。ただ、株立ちという言葉があります。根っこから3本、5本 稲の株みたいに分れて生えています。そういうのを株立ちといいます。 ▽手入れ放棄が史跡破壊と人的被害もたらす可能性 どうして株立ちするかというと、1回、伐られたからです。その切り株から何本か出てくるから株立ちというのです。実際に鎌倉の木の大部分は、15年から20年間隔で伐られていたので株立ちしています。従って、切通だとかやぐらの土木遺構の上の木はあまり大きくならず、下の土木遺構に負担をかけませんでした。 ところがそれが今は、大木になって根が岩の間に入り込んでいます。台風が来ると大きく揺さぶられます。てこの原理が働きます。雪が降ると、雪の重みがぐっと根に掛かってきます。切通の天辺の木は、真っ直ぐ上に伸びていきます。横から生えた木はどうなるかというと、上がふさがっているので、太陽の光を浴びようとして横に伸びます。その上に雪が降ったら、これもてこの原理が働き(柔らかい岩でできた)切通を壊します。 風致保存会は東京オリンピックの年の昭和39年12月のクリスマスの日に設立された団体です。そのころはまだ山に人の手が入っていました。風致保存会は宅地開発を防ぐために、緑地の一木一草も伐らせませんでした。当時はそれで良かったですが、「一木一草も伐らさない」ということを今になって考えてみると、困ったことを言ってしまったと思います。やはり、適切に手を入れていかないといけません。半世紀前に宅地開発から緑地を守るために風致保存会が生れ、古都保存法ができました。緑地を宅地開発から守ったお陰で、史跡も保護されました。 ところが今度は自然を野放しにしたことで、史跡が壊されようとしています。山に手を入れないということは、史跡を壊すだけでなく人的な被害をもたらす可能性があります。切通の下を歩いておりますと、斜めになって枯れている木がたくさんあります。こういうところには手を入れていく必要があります。どこかで人がけがするような場面に遭遇するのはないかと心配しています。 ▽鎌倉の自然は人間との営みの中で成立 続いて「生態系を守る」について説明します。木を伐ったり、草を刈ったりすることは、ある意味では自然破壊かもしれません。ただ、鎌倉のような土地は1千年以上前から人間との営みの中で自然が成り立ってきました。山歩きされる方は良く分かると思うのですが、山に入るとスミレだとか高山植物だとかが生えているのは、登山道の脇なんですよ。登山道からちょっと一歩中に入ってしまうと、そういった植物はほとんど生えていないです。 鎌倉の山は現在、上に木があってその下はほとんどがアズマネザサだけになってしまっています。上に何本か高い木があって、その下はアズマネザサだけ、そういう風な生態系にだんだんなっています。それがいいのか悪いのか? 蛙だとかトンボだとか、われわれ日本人が長年見て親しんできた生物の種類が減ってきています。日本人の遺伝子の中に組み込まれているそういう景色で、人との営みの中でできた景色です。こうした生物が生きていける環境を整えてあげることも山の手入れをする目的の一つです。 日本の自然の回復力は、世界にほとんど例がありません。レバノンという国があります。戦争などでいろいろと話題になっています。レバノンの国旗のデザインに、レバノンスギが使われています。レバノンは、かつてレバノンスギの森林帯だったそうです。いったん伐られたら、木は二度と復活しません。世界的にはこういう自然の方が多いようです。日本の自然の方が珍しいです。ものすごい回復力を持っています。そういう意味で、生態系もわれわれが馴染み親しんできたトンボや蝶々、多様な「生命」を育むという意味では、長い間農耕文化と一緒になって成立した里山的な林、そういうような形にした方が、いろいろな種類の生き物が生息できると思うのです。 (一つの緑地の面積が広いと多くなるのは、)生き物の種類、数ではなくて、種類です。別の言い方をすると緑地の面積が10平方メートルだった場合、動植物の種類は、それの二乗に比例する(100種類)だとします。それが仮に20平方メートルだったら20の二乗で(400種類)。100平方メートルだったら(10,000種類)。面積が10倍になれば100倍になる。それだけたくさんの種類が棲めると言われています。 ただこれは生き物の数ではありません。(数は面積2倍なら2倍、10倍なら10倍になりますが)単一の(生き物ばかりがたくさんいるだけです。)アリだとかダニだとかです。生き物の総数は変わりません(単純に面積に比例するだけです。(緑地が細かく島のように孤立していると、その合計面積の生き物は、一塊の同じ面積の緑地と比べて生き物の数は同じでも、種類の数ははるかに少なく、多様性は失われてしまう。面積が広くなればそれだけ面積に二乗した)多様な生き物が生存できる。(ある程度のまとまった面積の緑地が)今まで1000年以上育まれてきた人とのかかわりを持った鎌倉の自然です。それを守っていく必要があると思います。 3番目の「土木遺構を守る」ですが、こんなことで自然災害と同じで土木遺構は、管理しなければ守っていけません(木が大きくなり過ぎれば切通を壊します)。これが鎌倉の特質です。そんなことからも山の手入れが必要だと思っています。 ▽風致保存会のメーンの取り組みは緑地を残すこと 最後の項目の「多くの人に知ってもらう」について説明します。なぜ、これが入っているかというと、これが一番大事だからです。山は放置したら大変なことになるので、管理していかなければならないのだよ、そういうことを多くの人に知ってもらって、その上で緑地、緑に関心を持ってもらう。そのために風致保存会は、緑地、緑の手入れをやっています。 この風致保存会のパンフレットと、この岩瀬中学校3年生に配った資料の間で、内容的にギャップがあります。風致保存会自体は鎌倉の歴史と自然、そのマッチした景色、景観を次の世代に残すために活動している団体です。そのために場合によっては、土地を買い取ります。そういうような手段を持っているナショナルトラスト団体です。鶴岡八幡宮裏の御谷(おやつ)の森を買い取ったことで、日本最初のナショナルトラスト団体といわれています。今は買い増したり、寄付してもらったりして、約8万平方メートルの土地を持っています。 この主催している方々は山の手入れは必要だというのですが、風致保存会の目標は何かというと、その前に緑地を残さなければいけないというのが、風致保存会の一番のテーマです。明治15年(1882年)から平成22年(2010年)までの鎌倉市の緑がどうなっていたったかを、パンフレットの「鎌倉の自然は」に載せてありますが、この緑を少しでも増やそうというのが、風致保存会のメーンの取り組みです。 ▽年間120回の公式・非公式行事 ナショナルトラスト団体は緑を買い取る、借りるという方法をもって活動をしています。緑地を保全するために緑地を買い取るというのが、一番確実な方法であります。同時に一番確実な方法は、お金が全部なくなってしまいます。それよりも100万円のお金で地主から借りる、あるいは地主を補助する、そのような方法で、地主の管理のお手伝いする、補助金を出す。こうした方が、緑地を残すために1億円のお金で緑地を買うよりも10倍、20倍の緑を残す効果があると思います。 さらには先祖代々受け継いだ緑だから「地主さん、あなたの気持ちは良く分かりますよ。われわれがお手伝いしますよ」と働きかけるような形で緑地を残すようにすれば、さらに広い面積を残せると思うのです。こういう思いから風致保存会では、市民からボランティアを募って緑地の下草刈り、枝払い、倒木の整理などを行う「緑のボランティア」という取り組みをしています。風致保存会自体、年間公式行事で約40回、それ以外に一般公開していない非公式行事で年間80回、延べ120回、1週間2回くらいの活動をしています。 そのうち自己所有地は、半分以下です。正直言って風致保存会とボランティアの力では、自分たちが所有している約8万平方メートルの頭のハエも追えませんが、人様の土地、市の土地、建長寺の一部の土地、光則寺、浄光明寺の管理のお手伝いをしています。これはそこまでして市民が緑の有難さを感じて、残してほしいと思っていることを多くの人たちに理解してもらうことで、緑地が残ってくれればいいと考えての活動です。それで風致保存会では「緑のボランティア」をやっておりますし、これからもやっていくつもりです。 地主さんたちにしてみても、先祖代々引き継がれてきた緑地を自分の代で始末してしまいたい、と思う方は少ないはずです。それをちょっとお手伝いするだけで、大分違ってくるのではないかと考えています。それから山というのは残しておくだけではないのだよ、山というのは手入れが必要なんだよ、そうしていかなければ知床半島や小笠原諸島の自然と違って、鎌倉の自然の場合は維持していけないんだよということを分かる、あるいはそういう活動に参加してもらうことで山の手入れが必要だ、山に興味を持つ、それによってさらに緑地をさらに残していくような機運が強まるのではないかと思います。それを一番願っています。 ▽最大公約数的な作業内容を目指す ですから風致保存会は山の管理団体かといわれたら、風致保存会はそういう団体ではありません。緑地を残すためにできれば、もう少しちゃんと管理して残したいと思っています。そのためにやっています。風致保存会は自分たちの一番やりやすい形で緑地を管理していきたいと思います。基本的には緑地を残す。人間と自然の営みの中で成立している鎌倉の緑地は、手入れが必要なんだということをより多くの皆さんに理解してもらいたいと考えています。そのことによって結果として緑地は残るんだというような具合に考えています。 最後に緑地を管理していく方法です。実は六国見山は2、3年前まで岩瀬中学のこどもたちがやる時は、土地の管理を任されている鎌倉市のセクションと風致保存会が相談して勝手にやっていました。2年ほど前からかな、野口さんたち北鎌倉湧水ネットワークの皆さんが、毎月1回、この場所で定例手入れをするようになってから、一応その管理方針を聞いて、それにのっとった形でやっています。 今、鎌倉の自然というのは人が手を入れていないということを申し上げましたが、場所によって、立地条件が違ってくると思います。例えばお寺の境内でしたら、神聖な場所ですから、山門にスギがあったりします。村の鎮守の森のようなところもあります。そういう場所は、鬱蒼とした感じが似合います。お寺や神社の場合、ヨーロッパのゴシック建築ではないですが、天に向かってスーッといく、直立する木が植わっているのは、そういう考え方からだと思います。 お寺さんにはお寺さん、土地所有者には土地所有者の意識があります。風致保存会の場合も、皆さんのそういう意識をトータルして、最大公約数的な作業内容を目指しています。第1には土地所有者の意向、そして2番目にはここをどうしたいのという皆さんの意見を聞きながらやっています。同時に風致保存会は自分の頭のハエも追えないのに手伝っているといいました。そこの土地に掛けられる労力はどれくらいあるか、その労力の中でどういった緑にしていくかが関係してきます。月1回、年間12回、50人の人が山に入って手入れをする手入れの仕方と、年間3回程度しか入れない手入れの仕方とでは、同じ自然条件でも違ってくると思います。 ▽手入れに関してベストはない、ベターなかかわり方を 鎌倉の自然の場合には手入れに関し、ベストということはないと思います。どの程度できるか、どのような要望があるのか、そのようなことを周りと調整しながら、よりベターなかかわり方をしていくのがいいのかなと思っています。特に風致保存会の場合は、半分以上、人様の土地でやっておりますので、その辺のところを、気を付けながらやっております。 申し訳ありませんが、この辺で終わらせていただきます。本日はお招きいただきましてありがとうございました。野口さんのお陰で、この歳になって初めてガキ大将に加えてもらうことができました。子どもの頃は体が弱くてガキ大将に憧れておりました。今はしっかりと立派なお腹になりましたが、子どもの頃は、クラスで一番の虚弱児と言われました。チビでガリガリに痩せてまして、ガキ大将に憧れていました。やっとガキ大将になれたことでお礼を申し上げます。短時間で拙い話しでしたが、ご清聴ありがとうございました。(盛大な拍手) 【講師プロフィール】 野田 充博(のだ・みちひろ)1950年横浜生れ 1973~2010年鎌倉市職員(1996~2002年の間、風致保存会に出向)2010年4月~現職(鎌倉風致保存会常務理事兼事務局長) 【公益財団法人鎌倉風致保存会】(鎌倉風致保存会公式HPより転載) 公益財団法人鎌倉風致保存会は、鎌倉の自然の風光と豊かな文化財を後世に伝えることを目的として、1964年(昭和39年)12月に設立されました。誕生のきっかけとなったのは、後に「御谷(おやつ)騒動」と呼ばれる市民運動です。1964年は東京オリンピック開催の年で日本中が開発ブームに沸く中、鎌倉の聖域である鶴岡八幡宮後背の山林「御谷」にも宅地造成計画が持ち上がりました。これに対して地元住民を中心に市民や文化人らが反対運動を推進し、当財団を設立するとともに、集まった寄付金900万円と鎌倉市からの600万円で御谷山林1.5haを買収しました。 このことから、鎌倉風致保存会は日本最初のナショナルトラスト団体といわれています。この運動が契機となって、1966年(昭和41年)には「古都保存法」が制定され、鎌倉は乱開発から守られることとなりました。
by kitakamayunet
| 2013-07-16 06:42
| 鎌倉の美しい里山継承PJ
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from 北鎌倉湧水ネットワーク
at 2013-07-16 20:10
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