『孤高の俳人、松根東洋城』”：第10回鎌倉如水会サロン

鎌響は“伸び盛りのオーケストラ”：第9回鎌倉如水会サロン

　１２月１４日、鶴岡八幡宮前のそばや繁茂（住所・鎌倉市雪の下1－12－7、電話・0467－24－0686）で、１５人が参加し、忘年会も兼ねた第１０回鎌倉如水会サロンが開催された。如水会は一橋大学のＯＢ・ＯＧ組織で、鎌倉如水会サロンは如水会の鎌倉支部が、支部会員の懇親と交流のために開いている。
　
　今回の話題提供者は谷本勝さん(昭和36年、経済学部卒)で、話題は『孤高の俳人、松根東洋城』。松根東洋城は宮内省で式部官など歴任。漱石を俳句の師と仰ぎ、大正初め、定型俳句の旗手として活躍。俳句誌「渋柿」を創刊。まもなく百周年を迎える。

　現在、谷本さんはこの「渋柿社」の運営上の責任者。「漱石の『三四郎』のモデルは東洋城」など、俳句に詳しい谷本さんならではの逸話の紹介があり、参加者の話が弾んだ。愉快だったのは谷本さんの同期や同じ町内に住んでいる先輩が、谷本さんが俳句を嗜み、「渋柿社」の運営上の責任者であることを全く知らなかったこと。それにしても如水会鎌倉支部には隠れた“逸材”が多い。


　松根 東洋城（まつね とうようじょう、1878年2月25日 - 1964年10月28日）は俳人。本名は豊次郎で俳号はこれをもじったもの。夏目漱石の門下生。漱石に紹介されて正岡子規の知遇を受けるようになり、子規らが創刊した『ホトトギス』に加わった。1915年（大正4年）に俳誌『渋柿』を創刊主宰。子規没後『ホトトギス』を継承した高浜虚子により『国民新聞』俳壇の選者から下ろされ、代わって虚子自身が選者になったことを契機に1916年（大正5年）に『ホトトギス』を離脱した。以降、虚子とは一切の付き合いを持たなかったという。生涯、定まった住居をほとんど持たず、俳壇にも参加せず、生前には句集も出さなかった。俳句に情熱を注ぎ続けた偏屈な孤高の俳人という印象があるが、石川桂郎『俳人風狂列伝』では数々の女性問題がそうした生き方をとらせたことを指摘している。（ウィキペディアフリー百科事典）