日光男体山登頂記④赤城神社は最高峰の黒檜山・山麓に鎮座

日光男体山登頂記③女峰山など日光連山の勇姿を一望
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　赤城山の最高峰黒檜山

　赤城山（標高1,827.6 m）を訪れたのは６月４日。男体山登山の翌日だった。わたしにとって、赤城山といえば、江戸時代後期の侠客、上州・国定忠治だ。母方の祖父がわたしの子守をするときに「昔なや…（伝え聞くところによると昔は…）」のイントロで、いくつかの昔話を聞かせてくれたが、国定忠治は祖父の十八番の一つだった。

　国定忠治の有名な台詞「赤城の山も今宵限り、生まれ故郷の国定村や、縄張りを捨て国を捨て、可愛い乾分（こぶん ）の手前（てめえ） たちとも、別れ別れになる首途（かどで）だ」は今も耳に残っている。

　わが故郷（千葉県香取郡東庄町）は浪曲や講談で有名な「天保水滸伝」の舞台である。子どもの時はまったく知らなかったが「無名人からの伝言―大利根用水に賭けた野口初太郎不屈の人生―」の取材の過程で、国定忠治と同じ時代に生きたわが故郷の侠客・笹川重蔵が催した相撲の興行に国定忠治が参列したようだ。祖父はこのことを知っていて、十八番にしていたのかもしれない。

　ただ、赤城山は最近まで富士山のように独立した山だと思っていた。しかし、今回の男体山登山をきっかけに、赤城山は、中央のカルデラ湖・大沼の周囲を、1,200mから1,800mの峰々が取り囲んでいる連峰だということが分かった。大沼の東岸、最高峰黒檜山の山麓に鎮座しているのが赤城神社だった。