超絶的な演奏技巧に陶然①石田泰尚・山本裕康リサイタル

11・9石田泰尚・山本裕康デュオ・リサイタルｉｎ建長寺Ⅲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　撮影：島村国治

　１１月９日、北鎌倉・建長寺で開催した石田泰尚・山本裕康デュオ・リサイタルｉｎ建長寺Ⅲは、お陰様で今年も満席となり、成功裏に終了した。聴衆からは「今年の演奏はさらに磨きがかかりアンコール曲はバイオリンの超絶的な演奏技巧の粋を聞かせてくれました」「昨日（９日）のリサイタルはなかなか素晴らしいものでした。曲目も好みのBACHが入り個人的にも嬉しく存じました。あれだけたくさんの集客を企画された皆さんの御苦労がしのばれます。まちづくりにも貢献され立派な事業参画に敬意を表します。このように如水会員のみならず、地域や広いお客様を対象に文化活動を展開されますことは稀有の例かと存じますが今後、鎌倉名物として益々のご発展をお祈り申し上げます」などのとても嬉しい感想が寄せられた。

　建長寺はコンサートホールではない。会場の方丈は建長寺の宗教行事が行われる神聖な場所だ。その場所を建長寺から一時的にお借りし、運営は主催者に一任される。どうすれば建長寺にご迷惑おかけすることなく運営するか。同時に出演者には気持ち良く演奏していただき、聴衆にはその演奏に満足していただくことを考えなければいけない。これらの点にいつも神経を使って運営している。当日の会場の雰囲気と寄せられた聴衆の感想から判断し、どうやら今年も大きな問題を起こすことなくコンサートを開催できたようだ。

　午後１時から整理券を配布したが、それ以前から長蛇の列ができた。コンサートの人気の高さを証明する光景だ。

　コンサート冒頭に建長寺の僧侶によるお話があり、参加者全員で般若心経を唱えた。

　コンサートは第九回鎌倉芸術祭参加企画　文化振興、まちづくり協力を謳っており、後援名義を鎌倉市からいただいた。進行役として松尾崇鎌倉市長の「『石田泰尚・山本裕康デュオ・リサイタルｉｎ建長寺Ⅲ』の開催を心よりお慶び申し上げます。本日は出席がかなわず誠に残念ではございますが、本日のリサイタルのご成功とともに、皆さまの今後ますますのご活躍とご健勝をお祈り申し上げます」とのメッセージを読み上げた。

　「バッハの演奏はものすごく神経を使う。長時間、バッハを演奏する演奏家は“変態”か実力者」と山本裕康さん。神奈川フィルハーモニー管弦楽団関係者によると「石田泰尚さんは一番早く練習に来て最後に帰る」という。石田さんはこの日の夜も厚木市でコンサートが予定されていたので、コンサート終了後、車で北鎌倉駅まで送った。車中、「毎日どれくらい練習していますか」と聞いた。答えは「４、５時間です」。「超絶的な演奏技巧」は、類い希な才能と、不断の努力から生み出されているようだ。

　午前１０時に総門前に案内板を掲示した。