詩集「レヴィンの系譜」の市販分が５００部突破！

あなたは立原道造のような…。.詩集「レヴィンの系譜」
◎来年の命日に追悼コンサートを開催
　２年前、交通事故のため２６歳の若さで亡くなった私の同郷（千葉県香取郡東庄町）の高木昌宣さんの遺稿をまとめた詩集「レヴィンの系譜」の市販分が、①②巻あわせて514部となり、５００部を突破した。「レヴィンの系譜」を出版した神奈川県秦野市にある地域出版社「夢工房」の片桐務代表が、このほど「５００部という数字が、多いか少ないか判断はつきかねますが…」と断りながらも、喜びを隠しきれない様子で、話してくれた。
　一般論で言えば、小説に比べ、詩のマーケットは小さい。しかも、著者は全くの無名の青年で、大々的なＰＲも、全国的な販売ルートに乗せることもできない中、発売から２カ月余りで達成したこの数字は大健闘だと思う。それぞれのネットワークを通じて、「レヴィンの系譜」の出版を伝えてくれた方々に深く感謝したい。
　市販分については、印税相当を東庄町や交通事故遺族の会に寄付し、交通事故撲滅のために活用してもらうことになっている。片桐務代表は「５００セット販売できたら、直接、東庄町に出向いて印税相当を遺族に手渡したい」と話す。出版のお手伝いをさせてもらった１人として、一日も早くその日のくることを願っている。

　「団塊世代よ、帰りなん、いざ故郷へ！―セカンドライフの一つの選択肢―」の出版記念会で、歌手の盧佳世さんは「レヴィンの系譜」の中に収録されている「かたち」と「悲しみの雨の中で」の詩に自ら曲をつけ、昌宣さんの母親・高木初江さんの目の前で歌った。これがきっかけで、関係者の間で、来年の昌宣さんの命日に当たる５月２日に故郷で「レヴィン」追悼コンサートを開催する方向となったが、こちらも開催が確実になってきた。
　７月１０日に帰省した際、昌宣さんの遺族、東庄町関係者とこの問題を話し合った。席上、コンサートと鼎談「レヴィンの系譜が生まれるまで」を組み合わせるなどの案が出た。会場としては音響設備の整った４００人収容可能の公民館があり、利用可能とのこと。盧さんからは既に出演の了承をいただいている。