膵臓がんと認知症テーマの公開医療講座に参加1・30

膵臓がん？ＣＡ19-9が170に急上昇：腫瘍マーカー狂想曲（上）
「はじめないとはじまらない」と力説する講師の井上 彩加作業療法士

1月30日、茅ヶ崎市勤労市民会館で開催された湘南藤沢徳洲会病院（https://fujisawatokushukai.jp/hospital/）の公開医療講座に参加した。この日の公開医療講座のテーマは「膵臓がんのお話～発見が難しい怖い病気～」（講師・松井圭司肝胆膵・消化器病センター部長）と「認知症予防体操　講演/実技 」（講師・井上 彩加作業療法士）。

　いずれのテーマも他人事ではないので、参加を決めた。膵臓がんに関しては、2015年に膵臓がんや胆道がんが体内にできたときに血液中に出現する腫瘍マーカーＣＡ19-9に振り回された苦い体験がある。認知症に関しては身内が認知症の進行過程にある。最近、私自身が物忘れが激しくなってきた。身内の見舞いに行くたびに、認知症の予防方法があれば、是非とも体得したいと思っていた。お二人の講師の説明はとても丁寧で、分かりやすく、とても参考になった。何よりもお二人の講師の医療に取り組む姿勢が真摯で好感が持てた。

　松井圭司肝胆膵・消化器病センター部長は膵臓の位置関係などから膵臓がんが発見しにくく、肝臓や胆のうなどの他の臓器との絡みで膵臓がんが最も治療が難しいがんであることを明快に説明してくれた。質疑応答の中で、わたしは自分は膵臓がんであったのか、そうでなかったのかというかねてからの疑問を投げかけた。「腫瘍マーカーＣＡ19-9の数値（正常値37以下）が、４年前の会社の健康診断で１００，２あった。別の病院で再検査したら、それが正常値の上限の5倍近くの170,3にまで跳ね上がっていた。しかも、ＣＡ19-9と同じく膵臓がんが発生したときに高い数値を示す腫瘍マーカーのＳＰａｎ-1抗原（正常値30以下）も65と、正常値の上限の2倍以上になっていた。再々検査の期間に中に、医師には一笑に付された民間療法の『ニンニク加温法』を試みた。再々検査の結果は正常値に戻った」。

　松井圭司肝胆膵・消化器病センター部長の回答は「健康な人でも腫瘍マーカーＣＡ19-9が高数値になることはある。あるいは胆汁の流れが悪くなった時も数値が高くなる。数値は変動する」だった。わたしの場合は再々検査の結果がでて 以降、直後は３か月、その後は6カ月ごとに検査をしたが、すべて正常値をキープしたので、現在は1年に1回の検査をしている。『ニンニク加温法』は難行苦行だった。膵臓がんならば余命半年か1年なので、必死に取り組んだ。ひょっとして膵臓がんではなかったのか。となると難行苦行は無駄だったのか？　わたしはそうは思わない。もし、膵臓がんであったならわたしはもう生きていない。3カ月にわたる病院での検査期間中、治療は一切受けていない。ＣＡ19-9の数値が下がったのは『ニンニク加温法』のおかげだとわたしは信じている。『ニンニク加温法』に取り組んだおかげで自己免疫力の重要性、食事の大切さを学んだ。有機無農薬の野菜作りに熱心に励んでいるものこれがきっかけだ。




　井上作業療法士によれば①健康的な食事をしている②運動習慣がある③対人交流がある④趣味を持っている⑤り良質な睡眠をとっている―人が認知症になりにくい。こうした土台作りには朝日が昇るころにやるラジオ体操がお奨め。日光に当たるとセロトニンが分泌され、大脳を覚醒させる。セロトニンは14～15時間経つとメラトニンとなり、睡眠を促進する。朝日を浴びること自体が天然の睡眠薬を摂取することになる。脳と体を同時に使う拮抗体操も試してみるといい。脳の中にはやる気を起こさせるスイッチ「側坐核」があり、行動することで活性化される。やる気がなくてもいい、まずは動く。そうするとスイッチが入る。はじめないとはじまらない。認知症予防には目的をもって生活することが大切だ。