台風で根返りヤマザクラの幹に胴吹き5・15感動シーン（上）

山桜の植樹念頭にチェンソーで台風被害木を処理5・12

　5月15日、一人で六国見山森林公園の下刈りをした。場所は3日前の5月12日、チェンソーを使って台風で被害を受けたままになっていたスギ（中折れ、欠頂木）の伐採を行った周辺。下草を放置すると伐採したま、放置されている台風被害木が、下草に隠れて見えなくなってしまい、片付けができなくなるのを防ぐためだ。 　下刈りをしていて感動的な場面に遭遇した。台風で根こそぎひっくりかえってしまったヤマザクラの根元に近い幹に新しい芽がたくさん出ていた。樹木の切り株や根元から生えてくる若芽「ひこばえ（孫生え）」とは違う、エネルギー不足の状態にある樹木にみられる「胴吹き」現象だ。

　ネットで調べたら、光合成をする力が弱くなった樹木はエネルギーを必要とすると、眠っていた「休眠芽」が目覚め、幹に花を咲かせる「胴吹き」をして、より多くの光合成を得てエネルギーを確保するそうだ。

　根返りヤマザクラは鎌倉市公園協会が根っこを残したまま玉切りした。「胴吹き」は根っことつながった幹に見られた。里山は生きている！里山に入るたびに多くの発見がある。里山再生活動を継続できる理由に発見の喜びがある。この「胴吹き桜」は来春、どのような花を咲かせるのだろうか。とても楽しみだ。

下刈り前

下刈り後

胴吹き（Kotobankより）
　幹や枝の途中に芽が吹くこと。特に枝元（盆栽のフトコロ）近くから新しく芽が出ることをいう。枝を追い込む剪定によって促す。胴吹きが得られれば、間伸びした部分に新しい小枝を作り、枝順やボリュームのバランスを作り直すことができる。樹種によって胴吹きしやすいもの・しにくいものがある。また、追い込みの剪定には樹勢の良いことが必要不可欠。