鎌倉大根の強靭な生命力に驚嘆1・13

鎌倉大根初収穫、すりおろして辛味そばに11・18

　1月13日夕、辛味そばを作ろうと思って、鎌倉大根入れたポリ袋をあけて驚嘆した。葉っぱを落とした鎌倉大根の首のあたりからニョキニョキと新しい葉が出ていた。この鎌倉大根は大晦日に年越しそばに使うため、昨年末収穫したものだ。以後、スムージーに入れたり、肉や魚をやいた時に必要な分だけ切り取って使ってきた。

写真のように鎌倉大根は元の長さの4分の１程度しかない。それなのに新しい葉を生み出し、「生」のエネルギーを発散している。畑で育てている鎌倉大根は、もともとは由比ガ浜に自生していたハマダイコンだ。「鎌倉だいこん未来研究クラブ」（2020・7・9解散）から種をいただいた。

　鎌倉大根は鎌倉市佐助の鎮守「佐助稲荷神社」創建に関わる伝説の野菜とされている。この日の夕食は辛味そばとお刺身だった。刺身を盛ったお皿は間伐したヒノキが材料。そばの薬味のネギと焼酎のお湯割りに使ったレモンは自家製だ。醤油は故郷の「入正醤油」の純・天然醸造の澪つくし。コロナ禍で自己免疫力アップが大切だとされているが、この夜の我が家の食卓は自己免疫力を高める食材が並んだ。

【ご参考】

鎌倉市佐助の鎮守「佐助稲荷神社」に伝わる大根の古事「源十郎、弥十郎」によると、昔、源十朗という魚商人が犬に追われた狐を助けた。その夜、夢の中に狐が現れ「佐助ヶ谷で大根を作れば、大きな富が得られる」と告げた。源十朗は、狐の教えのとおり、佐助ヶ谷に土地を借りて大根作りを始めた。その冬、鎌倉に疫病が流行ったが、源十郎の大根を食べるとたちまち治るとの評判が広がり、源十郎は大根を売って裕福になった。狐の教えによって富を得た源十朗は、稲荷明神の社を建てた。それが現在の佐助稲荷神社だという。

◇大江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂さんの話

この大根は日本の海岸に自生するハマダイコンで、鎌倉の人々を疫病から救った源十郎が栽培した伝説の大根に間違いない。島根大学生物資源科学部の小林伸雄教授はユニークな取り組みをしている。

小林教授は島根の海岸に自生するハマダイコンを新たな辛味ダイコンとして位置付け、「出雲おろち大根」のブランド名を付けた。大竹代表は言う。「疫病を直した大根として鎌倉だいこんの機能性に期待が持てるが、小林先生の研究で、ハマダイコン選抜系統ならびに市場流通している辛味ダイコン‘辛丸’との比較で、「主要な辛味成分であるイソチオシアネート含量は‘辛丸’と同等であり‘耐病総太り”より明確に高かった。

このほか、根部の還元型アスコルビン酸含量、ポリフェノール含量、可溶性固形物含量、ならびに糖組成に関しても、辛味ダイコンのそれと長期の収穫期間を通じて同等、あるいは類似していることが明らかになり、上記の結果を踏まえて、ハマダイコン選抜系統を新たな辛味ダイコンをして位置付けることは十分可能であると評価された。