六国見山湧水仕込みパンが5月に登場1・13

かまくら起業のススメでプレゼンする吉田浩気さん

　1月13日、鎌倉商工会議所の地下ホール「かまくら起業のススメ～自分らしい事業づくり講座～」参加者発表会（2023、https://forms.gle/WUL8RqoYHf3q1htx8）が開催された。昨年11月から六国見山の手入れに参加してくれている鎌倉市在住の吉田浩気さんが「地域資源を生かした国産有機小麦と自家製酵母のパン屋」のタイトルでプレゼンするというので、応援を兼ねて見学した。

わたしは六国見山湧水仕込み地ビール「北鎌倉の恵み」（http://www.kitakama-yusui.net/beer/be.html）を世に送り出すために北鎌倉湧水ネットワークを設立した。そして、里山再生活動を始めて以来、間伐材の有効活用にも取り組んできた。

六国見山の手入れに参加した時、吉田さんは「地元の自然や文化に根差したパン屋をやりたいと考えており、六国見山の湧水でパンを仕込んだり、地場野菜を使ったパンの製造や、山林で出た間伐材を薪窯の燃料にしたりと、地域資源の循環の輪をつなぐ事業をしたいと考えております」と話していた。

　吉田さんは団塊ジュニア世代よりも若い世代で、現在は中学校の教師をしている。この日のプレゼンで吉田さんはパンへの熱い思いやパン屋さんになるきっかけなどを語った。そして、3月いっぱいで教師を辞めて、5月から「今泉台」の商店街の店舗を借りてパン屋さんを開業することを明らかにした。

「今泉台」は六国見山の麓にある住宅地だ。1960年代の高度経済成長期に造成され、現在は約5000人（約2000世帯）が住んでいる。住民の40％以上が65歳以上で、鎌倉市内では高齢化率が最も高くなっており、商店街はシャッター街化している。わたしが住んでいる高野台も六国見山の麓にあるが、「今泉台」が先行して宅地開発された。

地ビール「北鎌倉の恵み」の湧水は、現在、若林伝吉さん（故人）のお宅の自噴井戸から提供を受けている。

　1月4日、吉田さんを若林さんのお宅に案内し、若林さんの奥さんの八重子さんから湧水の提供の快諾をいただいた。吉田さんのパン屋さんが成功すれば「今泉台」の活性化にも役立つであろう。若い起業家の事業の成功を心から願っている。