胸・腰高幹周り調査で約4ｍのヤマザクラ確認5・5六国見山手入れ（下）

　5月5日の六国見山森林公園の手入れの時、六国見山のシンボルツリーのヤマザクラの巨木ペアの夫婦桜上から展望台に至るヤマザクラの樹林地に生えているヤマザクラの巨木を5本、ピックアップして胸高幹周りと腰高幹周り調査をした。4月28日におおまかに調査したが、今回はもっと正確性を期したいと考え、神奈川県森林インストラクターの先輩である伏尾真守さんに手伝ってもらって調査をした。

　その結果、1本が396ｃｍと4ｍ近くあった。これは夫婦桜の夫桜4ｍ超に次ぐ太さだ。3本が371ｃｍ、351ｃｍ、349ｃｍと3ｍを超えていた。残りの1本が266ｃｍだった。ただ、今回使用したメジャーの測れる長さの限度が2,16ｍだった。次回はもっと長い距離を測定できるメジャーとお手伝いをもう一人増やして3人体制で測定したい。

【396ｃｍのヤマザクラ】

【371ｃｍのヤマザクラ】

【351ｃｍのヤマザクラ】

【349ｃｍのヤマザクラ】

【266ｃｍのヤマザクラ】

　今回の調査の目的は、六国見山のヤマザクラの保護活動に役立てるためだ。北鎌倉湧水ネットワークの現在の活動は、ヤマザクラの苗木など植樹した苗木の育成に重点を置いていたため、既存のヤマザクラの保護がなおざりになってしまっていた。

神奈川県きってのヤマザクラの名所を目指すには既存のヤマザクラを保護すると同時に新しく植樹したヤマザクラの苗木をしっかりと育てる必要がある。ヤマザクラの保護活動に積極的に取り組んでいる鎌倉・峯山の会（https://mineyama.sakuratan.com/）の姿勢を参考にすべきだと考えた。

　396ｃｍのヤマザクラの巨木は幹の半分が枯れてしまっている。注意深く観察すると太いヘビのようなツルが幹に巻きつき、ヤマザクラから栄養を吸い取っているように感じた。幹の半分が枯れたのは、このツルによるものかもしれない。

　思い起こせば六国見山のシンボルツリーのヤマザクラの巨木ペアの夫婦桜もツルに絡みつかれて息苦しそうだったのを救出した記憶が蘇ってきた。

【夫婦桜の夫桜は胸高幹周り約4ｍ】

上が夫桜、下が妻桜

【夫婦桜の夫桜は胸高幹周り約2,5ｍ】

今後は①ヤマザクラの樹林地の下刈り②ヤマザクラの巨木に巻きついたツルの除去③ひこばえと胴ぶき枝の剪定―を心がけていきたい

◇ひこばえ　樹木の根元から伸びている枝のこと。ひこばえを放置すると樹木の栄養がひこばえにとられ、樹木全体に栄養が行き渡らなくなり、元気に育ちにくくなる。

◇胴ぶき枝　地面から約2メートルの高さくらいまでの幹に生える枝のこと。胴ぶき枝を放置すると、のちに人が通るときの妨げになる可能性があり、ケガの元にもなってしまう場合もあるので剪定する。