「伝説の鎌倉大根」ゆかりの「幻の寺島ナス」再移植6・30

オクラ初収穫、分けつネギ、イチゴの草取り終了

再移植した寺島ナス

6月30日、知己の渡邊公子さん（染色家、游風代表、「ふらっとカフェ鎌倉」代表理事）からいただいた幻の江戸野菜「寺島ナス」の苗を2本、再移植した。渡邊さんの話を聞いたり、ネットで検索すると「寺島ナス」は、佐助稲荷神社と深いご縁があることが分かった。現在、六国見山の畑で鎌倉大根を栽培しているが、鎌倉大根は佐助稲荷神社創建に関わる伝説の野菜だ。

寺島なす復活,プロジェクト

https://teratama.tokyo/project/terajima-nasu/

寺島ナスの発祥の寺島の由来を調べたら、鎌倉の大根の物語に繋がった。

http://edoyasai.sblo.jp/article/190470025.html

寺島ナスを最初に六国見山の畑に移植した場所は、モロヘイヤの近くだった。今後、モロヘイヤは急成長し、寺島ナスを圧迫するだろう。また、今年は例年になくテントウムシダマシの発生が多く、葉がボロボロにされ、何らかの対策をしないと成長がおぼつかない。

再移植前の寺島ナス

そこで、思い切って、小玉スイカを栽培している場所に再移植することにした。順調に育っていた小玉スイカが急に、茎が枯れて失速してしまいスペースが出来た。ここには野生動物対策してネットを張ってあった。小玉スイカはかつて育たなかったことがある。このあたりに、小玉スイカの天敵の菌が住んでいるのも知れない。来年以降、栽培する時は離れた別の場所に移そう。

再移植後の寺島ナス

失速してしまった小玉スイカ

　この日はオクラを2本、初収穫した。「こんな小さな体で良く実を付けてくれた」と思い、お礼に草取りをし、追肥をした。

　草に取り囲まれてしまったイチゴと分けつネギの周りの草取りを29日から二日がかりで終えた。草と野菜との共生のレベルではないほど草が大きくなってしまった。

イチゴはほとんど収穫出来なかった。いいランナーが出たら、場所を移して栽培するつもりだ。来年はもう少し早く草取りをし、美味しいイチゴを食べたい。

草取り前のイチゴ

草取り後のイチゴ

分けつネギはこのまま放置すると消滅しまうはずで、間一髪セーフといったところだ。元気が出るように鶏糞をばら撒いた。

寺島ナス（東京農業歴史めぐり　JA東京中央会HPより転載）

かつて、白鬚神社の周辺は寺島村といいました。元禄郷帳（1688〜1704）によれば、この地域一帯は、水田を主とする近郊農村であったが、隅田川上流から運ばれてきた肥沃な土はナス作りにも適し、ナスの産地として、その名も「寺島ナス」と呼ばれていました。

　享保20年（1735）の「続江戸砂子温故名跡志」には、「寺島茄子　西葛西の内也。中の郷の先、江戸より一里余」とあり、「夏秋の中の嘉蔬とす。」として、江戸近郊の名産であることが記され、また、文政11年（1828）の「新編武蔵風土記稿」には、茄子として、「東西葛西領中にて作るもの」として「形は小なれどもわせなすと呼び賞美す」とナスの産地だったことを示しています。

農家は収穫したナスを船を使って、千住や、本所四ッ目、神田の土物店（青物市場）等に出荷していました。江戸時代、悠々と流れる隅田川の東岸。田園地帯であった寺島に、後世に伝えるに値するナスの銘品があったのです。