残雪の中に春を発見：意を決し、円覚寺暁天坐禅会に参加

坐禅は寒いときほど効果がある（12・31円覚寺暁天坐禅会）
　午前４時半に目覚めた。意を決して、今年２回目の円覚寺暁天坐禅会に参加することにした。午前５時半、自宅を出た。外は真っ暗だ。残雪が残り、外は文字通り身を切るように寒い。円覚寺の門前で、右上方の天空に輝く月を見つけた。１月２９日が新月とあって、その光も弱く、寒々しい。
　境内には２１日の「大雪」の名残があった。２１日は禅寺の雪景色を狙う素人カメラマンが押し寄せ、境内はカメラの陣取り合戦が繰り広げられたという。禅寺と雪との相性はすこぶるいい。暁天坐禅会への参加者はいつもより少なめの１０人ほど。初参加者が３人。若い女性が連れ立ってきた。

　暁天坐禅会に参加して間もなく４年になるが、今日が一番寒かった。「法界定印」（ほっかいじょういん、右手の掌の上に左手を置き、親指を合わせる）では、親指以外の指は重ね合わせるので、暖が取れる。しかし、親指は寒さで冷たくなって、痛くなってきた。しっかり着込んできたはずなのに、背中が冷たくなってきた。









　一方で、相変わらず、さまざまな妄想が頭の中をよぎる。いつのなったら、坐ることのみに没頭できるのだろうか。思い描いた世界への道のりは遠い。本殿前の梅の花の蕾が、寒気に対抗するかのように膨らんでいた。春がここにいた。門前にはスズメに会いに来るといっているお婆ちゃんの姿が。元気はつらつだ。凄い人である。