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鎌倉市議会が石渡徳一市長問責決議を可決! 「鎌倉の質」を大きく損ねることに外ならない! ![]() 平成18年3月20日 鎌倉市長 石 渡 德 一 様 星 野 芳 久 (印) いわゆる「岡本2丁目マンション」について 要 望 書 はじめに 小生は、関東学院大学工学部教授として都市計画を専攻する一学徒でありますが、そのような関係から下記3つの鎌倉市付属機関(都市計画審議会、景観デザイン委員会、国指定史跡北条氏常盤邸跡保存管理計画策定委員会)に委員として関係させていただいております。また、非力であるにもかかわらず数年前には市政功労者表彰をも頂戴し、深く感謝している次第です。 鎌倉市の行政は全般的には賞賛に値するものと拝見し敬意を表しますが、標記マンションの件については思うところあり、ここに要望書を提出させていただきます。この書状は、一般にも公表しますので、このことについて貴職のご了承をお願いするとともに、そのために文章が説明的で長文となることを、お許しください。 1.「鎌倉」というまち 鎌倉は、武家政権発祥により一時代(「鎌倉時代」)を画した、日本の歴史上重要な都市です。第二次世界大戦においては、敵国アメリカすらもがこのまちの歴史や文化を尊重して攻撃対象から除外したといわれています。また、現代においても、京都、奈良と共に「古都保存法」の対象としてその歴史的風土の保存に向けての手厚い保護を与えられています。 敵国すらもが尊重したことを思うと、行政か市民かを問わず、私たちもこの都市の歴史や文化の維持向上に尽くさなければならないことを、痛感せずにはおられません。 2.本件の計画について さて、本件マンションの敷地は、市が緑地保全推進地区として指定している場所であり、前面(北方)へは「市道053-000号線」(大船駅西口から栄光学園方面へ向かう市道。以下、「バス道」といいます)を介して大船観音(多くの人々に「観音さま」と親しまれているので、以下、そう記述します)に向かい合い、背後(南方)では保存緑地(岡本緑地)に接する緑多い(破壊された現在は、「多かった」というべき)土地です。昭和39年に上記バス道が開設される以前は、観音さまとは地続きの山地でした。現在でも、バス道は切り通しとして切り下げられているので、境内からは背後の岡本緑地と一体となって豊かな緑として見える場所です。 なお、バス道と敷地との間には、バス道から切通し上部へとつながる狭い階段状の市道053-101号線(以下、「階段道路」といいます)があることを、申し添えておきます。 マンションは、地上9階・地下3階建てとなっていますが、「地下」というのは背後が地面に接していることからする建築基準法上での解釈によるものです。実際にはバス道に向けて正面が露出しているので、実質的には12階建てという、この近辺にはない巨大なものであり、その最高部は、観音さまの頭部ならびにマンション背後の岡本緑地の稜線とほぼ同じ高さとなっています。 3.本件計画の問題点 本件計画によって、市が緑地保全推進地区と指定している緑地が消滅してしまいます。(工事によって、すでに消滅してしまいました。)次に、観音さま境内からの眺望景観がいちじるしく損なわれます。現在は、前面は一面の緑なのに、マンションができれば、目の前に大きなビルがそそり立つこととなるのです。 観音さまは、そこへ訪れる人たちだけでなく、大船駅に出入りする鉄道・モノレールの車窓からも良く見え、市内外の多くの人に親しまれています。市の「みどりの基本計画」でも、この車窓景観を大事にしたいとしています。今のところ車窓からは、緑豊かな斜面の上に観音さまが優しい姿を現しているわけですが、マンションは、その面前に、それを圧倒するスケールで立ち上がることになり、非常に味気ない景色を呈することになります。 市指定の貴重な緑地をつぶし、鎌倉名所のひとつ=大船観音の風趣を損ねるのは、「鎌倉の質」を大きく損ねることに外なりません。 4.近隣住民全員や多くの市民が、当計画に反対しています。 小生は、この事業計画の近隣住民のひとりですが、住民は全員がこの計画に反対しています。また、この計画に反対の署名をしてくださった市民は、短期間であったにもかかわらず数千人に達しました。時間をかければ、さらに多くの人が署名してくれることは疑いなく、それは、この計画が、「単なるマンション問題」ではなく、上述のように「鎌倉の質」の保持に関わる重要な内容をはらんでいるからです。 工事が始まって以来、ここを通る人々は、十人中十人が、異口同音に、「えー!ここの山、無くなっちゃたの!」「こんな所に、マンション!ひどいねー!」と言っています。(小生による誘導などは、無論なしで、です。)市民の意向を尊重することが、貴職の最大の責務のはずです。これら市民の声に、率直に耳を傾けてください。 5.都市計画審議会、そして、開発許可 本件は、平成17年2月25日に貴職から都市計画審議会に諮問されました。小生は、本件に関しては利害関係者であり、審議の公正中立を守る立場から本件審議の間は退席し審議には加わりませんでしたが、良好な都市環境の保持と創造を理念とする都市計画の立場からしても本件計画には同意しかねる、貴職にはなお一層の努力を要望する趣旨の意見を書面で提出しました。 審議は、激論・僅差ではありましたが、結果として本件計画は了承され、3月には貴職による開発許可がだされました。その前後、住民・市民に対して市からは「本件には、都市計画審議会会長の星野も同意している」との説明がありましたが、これは審議会の決定事項を会長として裁決したことをあたかも星野個人の意思であったかのようにすり替えたもので、小生は貴職に抗議の書面を送付しました。しかし、貴職からはいまだに何の釈明もありません。まことに遺憾であります。 6.神奈川県開発審査会による裁決と市議会の決議 そのようなところ、開発許可を違法と考える人たちによって、県の開発審査会に審査請求がなされ、その結果、「敷地が接道要件を満たしておらず、鎌倉市の開発許可は違法」との裁決がくだされました。また、鎌倉市議会では、この裁決を踏まえて、貴職に「原状回復」を求める決議がなされました。 7.その後の市の動き しかし、貴職はその後も、事業者から「再申請があれば受け止める」との姿勢を示され、「業者の開発申請が違反していなければ、許可しなければならない」としておられます。しかし、これは誤りであることを、後で論じます。 一方、「市議会建設常任委員会で貴職の上記方針の説明がなされ、委員会はそれを了承した」ことが新聞報道にありましたが、これは「委員会は、貴職の説明を受けた」ということと小生は理解いたします。もし、委員会が貴職の説明の「内容」を了解したとしたら、市議会本体という上位機関の意思に反する行為を下位機関である委員会がなしたことになり、法理に背きます。 他方、予算特別委員会では、本件をめぐり激論の末、予算案は否決され、貴職は「厳粛に受け止めさせてもらう」と語られた旨報道されています。であるならば、誤りを率直に認められ、前言の撤回をなさるべきです。 この予算特別委員会の結果は、23日の本会議で委員長が結果を報告して採決されると聞き及びますが、すでに「原状回復」を決議した議会が、それに矛盾した内容の予算案を承認するはずがなく、もし、決議の撤回を行わずにそんなことを行うのであれば、これまた、法理に反することと言わなければなりません。 8.適法であることは、「必要条件」。「十分条件」ではない。 貴職は、「業者の申請が違法でないならば、認めなければならない(開発を許可しなければならない)」としておられますが、それは違います。 わが国が法治国であるからには、個々の人格の権利は尊重されなければなりません。業者の「マンションを建てる権利」についても、同様です。しかし、適法であれば何でもしてよい、ということにはなりません。適法であるのは最低限度の条件、数学でいうところの「必要条件」であって、それさえ満たせば他は一切不要という「十分条件」ではないのです。社会の規範や良識にしたがって修正や規制を求めることも有り得るのです。 現に、この1か月程度のうちに、そのような事例がいくつも報道されています。①逗子市では、合法であるだけでなく市の条例にも合致させたマンション計画を、周辺住民の意志を受け止めた行政の強い指導で戸建て住宅に変更させました(逗子市逗子)。②茅ヶ崎市では、漁港近辺のマンション建設は景観上望ましくないとの意向でマンション計画を中断させたまま、それを内容とする地区計画を都市計画決定させました。また、③東京では神宮外苑絵画館背後のマンション計画を、景観を配慮して変更させましたし、④広島でも世界遺産の原爆ドーム近傍のマンション建設に、文化庁が懸念を表明しています。 9.鎌倉市でも、事例は沢山あります。 合法な計画を差し止めた事例は、鎌倉市にも沢山あります。市は、①当初、合法だから止められないとしていた広町の緑地を、方向転換して遂に保存されました。②「御谷(おやつ)騒動」として知られている鶴岡八幡宮裏のマンション計画もまた、然りです。大仏次郎氏を始めとする文化人や市民の猛烈な反対運動や募金活動に、市も対応されたのです。これは日本で最初のナショナルトラスト運動という栄誉を勝ち得ているばかりでなく、前述の「古都保存法」制定の契機ともなったのです。 市自身の計画で見直し変更が成功したものも、いくつかあります。例えば、③御成小学校がそうです。当初、市は鉄筋コンクリートでの建て直しを計画したところ、埋蔵文化財の保護、鎌倉御用邸敷地たった歴史性の尊重等の理由から反対運動が起こり、市も方針を変更して現在のようになったのでした。これは、日本建築学会も高く評価している事例であり、平成11年度神奈川建築コンクール最優秀賞にも輝いています。 誤りは、誰にでもあります。大事なことは、もしそれに気づいたならば、改める勇気を持つことではないでしょうか。 10.本件は、適法とは認められません。 適法である事案であっても、上記のような対応が、市内外でとられてきました。しかるに、本件は、適法であるとすら認められません。 本件は、違法とされた接道要件を充足させない限り成り立たない計画ですが、①接道要件を適法化するためには、「階段道路」を山崩れから保護する目的の石垣(岡本260-2の土地)を取り崩して道路に改変することなくしては不可能である。②しかし、この土地は行政財産であって、公共的な目的以外の使用は許されない。③であるのに、石垣の撤去も道路の改変も、事業者主導で進められてきたもので、市が主体性に関わっていない。(市は、事業者の相談にのっているだけである。)④さらに、説明は、事業者からだけであって、市からのは、未だにない。(「声の大きな人」への個別な説明等はあったものの、それでは住民・市民への説明とはいえない。)⑤そもそも、階段道路のこんな改変は、住民・市民のだれもが望んですらいない「改悪」である・・・のです。 つまり、道路改変は住民・市民のために市が主体的に行うのではなく、事業者の計画を実現させるために市が事業者に認めたのであって、行政の基本にもとる行為です。したがって、この措置なしには接道しえない本件計画は、貴職の不適切な判断のもとでしか成り立たない(適法とは認められない)ものであり、「違反がなければ、認めなければならない」とする貴職の発言は間違いであると言わざるをえません。 11.今が、大事な時です。 価値観や制度が大きく動きつつある今、行政の長である貴職の判断は、鎌倉市の将来に大きな影響を及ぼします。小生が関わらせていただいている仕事を通して、若干申し述べさせていただきます。 1)都市計画審議会 建物の高層化がいちじるしい昨今、これへの対処は「歴史都市・鎌倉」においては、必要不可欠です。都市計画審議会では、鎌倉市において最も重要な若宮大路周辺について、建物高さが15メートルを超えないようにするという方針を昭和40年代に打ち出し、行政当局の指導のもと、現在までそれが堅持されています。 規制緩和の潮流の中、「法規上はもっと高い建築が建てられるはずなのに、けしからん」という声も少なくないのですが、「適法であれば・・・」という理論でそれを認めてしまったら、古都鎌倉の質が地に落ちるのは明瞭です。したがって、行政指導を当面続けるとともに、高度地区や景観地区の指定等の法的整備を急ぐ必要があることを、貴職にお伝えしたいと思います。 また、周辺に大きな影響を及ぼすおそれのある行為について、貴職から審議会へ諮問していただくような基準も設定されています。本件も、一定高さに関する諮問基準に該当する案件であることによって諮問されたわけです。 「高さに関する諮問であるので、建物の高さを審議してほしい」というのが事務局の要望ですが、それは正当ではありません。小生は、事務局の誰よりも古くから都市計画審議会に関わり、当該諮問基準の作成にも関わってきたのですが、事務局が適法として提起する建物の高さを、一体、どう審議して欲しいというのでしょうか。審議の目的は、周辺への影響が多大である可能性が高い一定高さを超える建物について、法令ではチェックできない都市計画上の問題を検討することにあり、本件のような景観問題も含まれるものです。 2)景観デザイン委員会 平成16年に景観法が制定されて、美しい国土の形成は国を挙げての重要課題となりました。貴職にも、美しい都市づくりについての重い職責が課せられたわけです。 貴職はそのための重要な対応を図られているのであって、4月には景観問題を担当する 「景観部」を創設されます。また、鎌倉市は、既に同法にもとづく景観行政団体としての指定を受け、景観計画の策定にも当っておられます。これらのことについて、貴職に敬意を表します。であればこそ、そのような時期にあたり、本件についても「駆け込み」を許すことなく対処すべきです。 3)「北条氏常盤邸跡」委員会 鎌倉市の世界遺産登録を目指す活動の一端に関わらせていただいていることに、感謝いたします。 この委員会の委員長・大三輪龍彦先生(鶴見大学教授)と小生は、十数年前に、まちづくりの市民団体が主催した「鎌倉は世界遺産たりうるか」をテーマとしたシンポジウムにパネリストとして参加したことがあります。しかし、実は、そこでは先生も小生も、否定的な見解を表明したのです。「鎌倉には、実は、国宝に指定された建物や、国指定の史跡などはごく少数しか存在しない。『国の宝』が貧弱なのに、どうして『世界の宝』たりうるのか」とか「歴史的なものを保存し、文化的なものを創造していく努力が、市においてはまだまだ不十分である」というのが、その理由でした。 先生も小生も、鎌倉が世界遺産となることを希望しているからこそ、この活動に加っているのです。市においては、コアやバッファーエリアは無論のこと、市域全体について、世界遺産都市たるにふさわしい取り組みをしてくださるよう、要望いたします。 おわりに 以上、多くの人に本件についてご理解をいただくためとはいえ、貴職ご承知のことを長々と書き連ねたことと、失礼な表現のあることをお詫びいたします。 しかし、敵国すら攻撃対象から外したこの鎌倉のまちの質を損ねてはなりません。貴職の賢明なご判断と決然たるご行動を、こころからお願い申しあげるものです。 以上 *星野教授の了解を得て、掲載しました。 ― 7 -
by kitakamayunet
| 2006-03-20 23:34
| 台峯&マンション問題
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じっくり読ませて戴きました。彼我の時間が逆であれば、小泉邸も公園か、悪くもミニ開発であったとしても瀟洒な戸建で済んだのではないか、と、死んだ子の歳を数えるようなことをしてしまいました。
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まもなくアップしますが、今年もハクモクレンが咲きました。いろいろな思いがあります。でも、今年もこのハクモクレンを見ることが出来たことを素直に喜びたいと思います。
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