レヴィン＆合唱＆アカペラ（生命のメッセージ展in湘南平塚）

「生命のメッセージ展in湘南平塚」のパンフレット到着！


　「生命のメッセージ展in湘南平塚」（１１月２８日～１２月３日、平塚市美術館）の最終日の３日、６編のレヴィンの詩が、合唱とアカペラ（楽器を一切加えない人の声だけで構成する音楽）で、レヴィン（千葉県香取郡東庄町笹川の高木昌宣さんのハンドルネーム。自家用車で出社途中、無謀運転の大型トレーラーの下敷きになり、全身を圧迫され、死亡した。享年２６歳。ＨＰに書き残した詩の数々が『詩集・レヴィンの系譜』というタイトルで２００５年出版された）の遺族の前で蘇った。
　北鎌倉女子学園のＯＧで構成された合唱団「クール百音」が５曲（桜の花、隠恋慕、悲しみの雨の中で、まだ見ぬ季節、振り返れば．．）を合唱、歌手の盧佳世さんが１曲（蒼い空）、アカペラで独唱した。
　レヴィンの遺族は、１２月２日、秦野市文化会館で開催された「第３回団塊サミットｉｎ丹沢」のコンサートに盧佳世さんが出演したため、千葉県香取郡から盧さんの応援に駆けつけた。遺族、盧さん、私たち夫婦は、３日、団塊サミットの主催者の丹沢ドン会の収穫祭に参加後、「生命のメッセージ展in湘南平塚」のプログラムの一環として予定されていた「クール百音」のコンサートに参加した。素晴らしいコンサートだった。洗練された合唱曲に心が安らいだ。





　メッセージ展の会場には、盧さんのＣＤ「マウム（こころ）」が流れていた。そして、今回のメッセージ展の主催者の祝部美佐子さんは、「盧さんの歌を聞いていると、なぜかレヴィンの顔が浮かんでくる」と語った。祝部さんの息子さんも生きていればレヴィンと同い年の３０歳。レヴィン同様に交通事故で命を失った。最愛の存在を暴力的に抹殺された悲しみと怒りを共有している。
　そうであるならばと、反射的に祝部さんと盧さん双方に、「クール百音」の合唱が終わった後、盧さんがアカペラで、１曲歌うことができるかどうか、その可能性を打診した。「ＯＫ」の返事が即座に返ってきた。レヴィンの遺族に曲の希望を聞いた。レヴィンのお母さんは、「蒼い空」をリクエストした。
　盧さんは昨日、コンサート後の交流会、さらには深夜まで続いた打ち上げにも参加した。明らかに疲れていた。しかも、いきなりのリクエストである。「プロだから切り替えます」ときっぱり言い切ったが、「オフモード」から「本番モード」への切り替えは、簡単なことではない。
　緊張した面持ちでステージに立った。「大丈夫かな」。心配したが、強く低い歌声が聴衆の胸を揺さぶり、心に染見み込んで行った。良かった。レヴィン、そして道半ばで逝った人たちへの供養になった思う。
　

【合唱曲一覧】（詩集「レヴィンの系譜」より）

高木　昌宣作詞　小田　博之作曲

桜の花
桜の花びら舞い散る
そんな街角で逢えたらいいね
風の便りは出逢いの予感
やわらかな風が吹き抜ける

うららかな陽射しに
そっと草木は目覚め出す
まるで僕たちを迎えるかのように．．

桜並木を抜けていこう
春風の流れるままに．．
花びらが導くままに．．

桜の花びら舞い散る
そんな街角で逢えたなら．．

あなたとどこまでも

桜の花が導くままに．．．


隠恋慕
あなたへの想いが
そっとかくれんぼ
あなたの視線に敏感な僕の
想いは今にもこぼれそうだよ
探してごらんよ　僕のこと
見つけてごらんよ　あなたへの想い

でもまだ見つけてほしくはないよ
いつかは見つけてほしいくせにね

あなたへの想いが
そっとかくれんぼ

じゃあヒントをあげようか
僕はね　いつだって
あなたの傍にいるよ．．．


悲しみの雨の中で
僕たちが出逢う　幾つかの悲しみ達

その分　きっと　強くなれるんだ

悲しみの雨の中で

心が風邪をひきそうになったら

今はそっと翼を休めていよう

雨上がりの空に

大きな虹が架かるまで


まだ見ぬ季節
僕たちが出逢ってから
まだ季節は巡らないけれど．．．
眩しい太陽の下で
あなたと出逢い．．
赤く染まりゆく街並みに
あなたを想い．．
雪が舞い散る夜には
あなたのぬくもり感じて眠る

まだ見ない春のあなたに
僕はどんな景色を描くのだろうね
桃色の花びらが
あなたの髪についたりしてね

あなたとのまだ見ぬ季節を
氷の下に息づく草木のように
こんなにも待ち遠しく想っているよ．．


振り返れば．．
ひとりぼっちじゃないんだよ
見えないものが　見えないだけさ．．
振り返ってもいいよ
僕ならすぐそばにいるさ

戻ることは出来ないけれど
忘れもしない

振り返ってみてもいいよ
誰かがいてくれたこと
思い出してごらんよ．．

いつだってひとりじゃないって．．
今までだって．．
これからだって．．

振り返ってみてもいいよ
みんながいてくれたこと
みんながいてくれること
忘れずにゆこう．．

蒼い空


”雲ひとつない青空”なんて綺麗な言葉
あなたがいない空は
こんなにも蒼くてせつないよ．．

今ごろあなたは何をしているの？って


あなたへの想像力なら無限大
空のキャンパスにはいつだって
あなたを描いているさ

ねえ　僕は知っているよ

遥かまで広がるこの空の向こうに
あなたがいることを

どれほどの想いなら届くんだろう？
あなたへと続く空が
こんなにも蒼くて愛しいよ．．．

【祝部さんからのメッセージ骨子】
　野口様。
　祝部です。
　素敵なコーラスと盧さんの歌声、本当に癒されました。主人が、レヴィンの詩にとても感銘を受けて是非にとの願いが叶いました。突然、盧さんには歌っていただいて、本当にうれしかったです。私の友人達は、すばらしい時を過ごさせていただいたととても喜んでいました。高木さんからいただいたＣＤを会場に流していました。歌を聴いていると、高木さんの息子さん昌宣さんの顔が浮かんでくるんです。高木さんにＣＤと一緒に送っていただいた新聞記事の昌宣さんの顔、一度も会ったことがないのに、なぜか、レヴィンの顔が・・・本当に不思議です。高木さんご家族に、お会いできましたこともとてもうれしく思っています。これからも宜しくお願いいたします。